Skip to content

UCL(University College London)留学ガイド2026 - 出願・学費・奨学金を徹底解説

イギリス留学

2026年、日本人受験生がUCLに出願する方法を解説。UCASの出願締切、Aレベル・IB等の学力要件、ポンド建ての学費と円換算、奨学金、11学部の構成、そして「ロンドンのグローバル大学」の実像まで網羅。

ロンドン中心部ガウアー・ストリートに立つUCLウィルキンズ・ビルディングの新古典主義様式ポルティコ

Lead image: Wikimedia Commons

ロンドン中心部のガウアー・ストリートを歩くと、歩道の上に十本のコリント式円柱が並ぶ長い新古典主義様式のポルティコが目に入ります。鉄製の門をくぐり南中庭を抜けると、学生たちがノートパソコンや建築模型を抱えながら講義棟の間を行き交い、頭上ではウィルキンズ・ビルディングのドームが光を受けて輝いています。そこから数分歩けば大英博物館が無料で一般公開されており、大英図書館は英国で出版されたあらゆる書籍の写しを所蔵し、その間にはジョージ・オーウェルの小説『1984』に登場する「真理省」のモデルになったといわれるセネート・ハウスがそびえ立っています。ここがブルームズベリー、ロンドンの学術の中心地であり、その中心に立つのが**University College London(UCL)**です。

UCLは1826年、ロンドン初の大学として、また人種・階級・宗教を問わず学生を受け入れた英国初の大学として設立されました。当時オックスフォードとケンブリッジが英国国教会への信仰を入学条件としていたのに対し、これは急進的な決別でした。創立当初からUCLは自らを「ガウアー・ストリートの神なき大学」と呼び、包摂・世俗主義・科学的探究をアイデンティティの核に据えてきました。それから二世紀を経て、この建学の精神は世界でも屈指の国際的な大学を生み出しています。UCLの学生の53%は英国外の出身で、150カ国以上から集まっています。大学は自らを**「ロンドンのグローバル大学」**と呼びますが、これは単なる宣伝文句ではなく、実態に裏打ちされた呼称です。

UCLは現在、QS世界大学ランキング2026で世界9位に位置し、英国内ではOxford、Cambridge、Imperialに次ぐ第4位の大学です。4万8千人の学生が11の学部と数十の専門スクールで学んでおり、その中にはこの10年間QS世界ランキングのArchitecture and Built Environment部門で世界1位を維持し続けているThe Bartlett School of Architecture、Slade School of Fine Art、UCL Medical School、UCL Institute of Educationが含まれます。UCLの卒業生・研究者コミュニティからは30名のノーベル賞受賞者が輩出されており、その中には希ガスを発見したウィリアム・ラムゼー、ビタミンの構造解明に関わったオットー・ハーン(関連機関において)、そして遺伝暗号の読み枠の発見に関わった研究者たちが含まれます。

このガイドは、日本からUCLへの出願を検討している受験生――日本の高校に通う生徒、インターナショナルスクールやIBスクールの生徒、あるいはすでに海外の教育機関で学んでいる生徒――を対象としています。出願に必要なすべてを網羅します。ランキングと評判、UCASの出願プロセス、11学部にわたるコース選択、ロンドンでの生活費、留学生向け奨学金、ブルームズベリーでの学生生活、Brexit後の学生ビザの取得経路、そしてLSE、Imperial、King’sとの率直な比較まで扱います。読み終える頃には、UCLが自分に合っているかどうか、そしてこれから12カ月の出願戦略をどう組み立てるべきかが見えてくるはずです。

UCLへの出願と並行してIELTSやTOEFLといった英語資格試験の対策を進めている方は、PrepClassのプラットフォームで、UCLが求めるスコア基準に合わせたアダプティブな模擬試験による体系的な対策を受けられます。

ランキングと評判 - 「ロンドンのグローバル大学」

UCLの世界ランキングにおける地位は一貫して高い水準にあります。QS世界大学ランキング2026でUCLは世界9位、英国内では Oxford、Cambridge、Imperialに次ぐ4位に位置しています。タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)世界大学ランキング2026では世界22位です。ARWU(上海ランキング)ではやや低い17位となっており、これはOxbridgeと比較してアジアの一部市場での知名度がやや低いことを反映していると考えられます。これらの順位はこの10年間大きく変動しておらず、UCLは2010年以降ずっと世界トップ15の大学であり続けています。

ランキングだけでは捉えきれないのが専攻分野ごとの圧倒的な強さです。QS世界大学ランキング(科目別)2026では、UCLは以下のように評価されています。

  • Architecture and Built Environment(The Bartlett)で世界1位
  • Education(UCL Institute of Education)で世界1位(11年連続)
  • Anthropologyで世界3位
  • Geographyで世界5位
  • Archaeology、Pharmacy and Pharmacology、Anatomy and Physiology、Statistics and Operational Researchで世界トップ10
  • Computer Science、Engineering(複数分野)、Economics、Law、Medicine、Psychology、Linguisticsで世界トップ20

つまりUCLは単一分野に強みを持つ大学ではなく、芸術・人文学・社会科学・自然科学・専門職分野のすべてで同時にトップ5クラスの実力を持つ、世界でも数少ない大学の一つなのです。STEMとMedicineに集中するImperialや、社会科学と経済学に集中するLSEと比較すると、この分野の幅広さは一目瞭然です。

UCLは英国の研究集約型大学24校からなるRussell Groupに加盟しているほか、欧州の主要な研究大学24校に加盟を限定するLeague of European Research Universities(LERU)の一員でもあります。さらに世界の主要研究大学が集うU7 Allianceにも参加しています。これらの加盟はブランディングのためだけのものではなく、UCLの研究成果が欧州大陸や北米の同格機関から真剣に評価されていることの表れです。

研究面での存在感も突出しています。UCLは直近の会計年度に研究費として5億6千万ポンド以上を投じており、これはOxfordとCambridgeを除く英国の大学の中で最高額です。直近の英国研究評価枠組み(REF 2021)では、UCLの研究の94%が「世界をリードする」または「国際的に卓越した」水準と評価されました。UCLはフランシス・クリック研究所(欧州最大の生物医学研究施設)、アラン・チューリング研究所(AIとデータサイエンスの英国国立研究機関)、そして大西洋を越えたUCL/Yale Collaborativeの一員でもあります。

日本からの出願者にとって実際的な意味は次のとおりです。UCLの学位は雇用主、政府機関、大学院から世界的に認知されています。日本に戻って総合商社や大手金融機関、外資系コンサルティングファームに就職する場合でも、アメリカのロースクールに出願する場合でも、シンガポールで大学院の研究職に就く場合でも、UCLの学位は採用担当者のリストの上位に挙がります。QS Graduate Employability Rankingsでは、UCLは世界15位の卒業生評価を得ており、英国の大学の中ではOxfordとCambridgeに次いでLSEより上位です。

よくある誤解を一つ整理しておきます。Russell Groupは英国版「アイビーリーグ」ではありません。アイビーリーグは米国の8大学によるスポーツリーグですが、Russell Groupは英国の研究集約型大学24校からなるコンソーシアムで、Oxford・UCLと並んで性格の異なるBirmingham、Leeds、Liverpoolなども含まれます。採用担当者や大学院が英国の大学を評価する際、実質的に他を一段抜きん出ているのはOxbridge+Imperial+UCL+LSE、いわゆる「G5」または「ゴールデン・トライアングル」と呼ばれる大学群です。UCLはこの最上位層に確固たる地位を占めています。

UCLへの出願方法 - UCASの手続きをステップごとに解説

英国のすべての学部課程と同様に、UCLの出願も**UCAS(Universities and Colleges Admissions Service、大学・カレッジ出願サービス)**を通じて行われます。UCASは一元化されたオンライン出願プラットフォームで、最大5つの大学の志望を一つの出願にまとめて提出できます。つまりUCLに直接出願するのではなく、一つのUCAS出願を提出し、5つの志望校の一つとしてUCLを記入し、5校すべてが読む志望理由書を一つだけ書くことになります。

2026-2027年サイクルの主要日程

  • 2026年9月: UCAS出願ポータルが開く
  • 2026年10月15日(英国時間18:00): UCLのMedicine(MBBS)、および志望5校の中にOxbridge相当のコースを含む場合の締切
  • 2027年1月31日(英国時間18:00): その他すべてのUCLコースの標準UCAS締切
  • 2027年3〜4月: UCLが合否(条件付きまたは無条件)を発表
  • 2027年5月: UCASの本命・保険校の回答締切
  • 2027年7〜8月: A-LevelまたはIBの最終結果発表、条件付き合格の確定
  • 2027年9月: 新学期開始

日本からの出願者は、正式な締切が2027年1月であっても、2026年9月を実質的な準備開始時期と捉えるべきです。日本国内やアジアの主要都市でIELTSやTOEFLの受験枠を確保するのは競争が激しく、また異なるタイムゾーンにいる教師からの推薦状の準備には、学生が想定するよりも時間がかかるものです。

UCAS出願に含まれる要素

UCASの完全な出願は6つの要素から構成されます。

  1. 個人情報 - 氏名、生年月日、国籍、在留資格、授業料区分の申告。授業料区分は重要な意味を持ちます。「Home(英国居住者)」区分(永住権保持者を含む)は年間£9,250(約194万円)ですが、「International」区分は年間£25,000〜£40,000(約525万〜840万円)です。日本国籍の出願者は原則としてInternational区分に該当します。

  2. 学歴 - 11歳以降に在籍したすべての中等教育機関について、現時点までの成績と、現在履修中の資格の予測成績を記入します。

  3. コース選択 - 最大5つの大学コースを選べます。日本からの出願者の多くはUCLに加えて他の英国の大学4校を選択し、UCLと組み合わせられることが多いのはImperial、LSE、KCL、Edinburgh、Manchester、Bristolなど、志望分野によって異なります。同じ出願サイクルでOxfordとCambridgeの両方に出願することはできず、どちらか一方のみです。

  4. 志望理由書(Personal Statement) - 学問への意欲、専攻分野への関心、関連する経験や目標について書く、4,000文字(英語でおよそ650語)の一本のエッセイです。重要なのは、この志望理由書は5校すべてに向けて書かなければならないという点です。UCL専用のエッセイとImperial専用の別のエッセイを書き分けることはできません。全体のおよそ80%は専攻分野への学問的関心について、残り20%は課外活動やその他の能力について書くのが一般的です。

  5. 推薦状 - 学業成績と予測成績について語れる教師、進路指導カウンセラー、またはIBコーディネーターによる学術推薦状が一通必要です。UCASの慣習に不慣れな日本の学校から出願する場合は、英国の大学が推薦状に何を求めているか――専攻分野に即したコメント、知的好奇心を示す具体例、明確な予測成績の一覧――を推薦者にあらかじめ伝えておくべきです。

  6. 予測成績 - 学校が公式に発表する、A-Level、IB、または相当する資格の最終予測成績です。UCLの合格は通常、この予測成績が達成されることを条件とした条件付き合格となります(例:「Mathematicsを含むA-LevelでAAA」など)。

専攻別の入学試験

UCLが英国トップ大学の中でも特徴的なのは、ほとんどのコースが入学試験を要求しないという点です。これは意図的な戦略的選択で、UCLはOxfordやCambridgeが用いる専用試験ではなく、成績証明書、予測成績、志望理由書に基づいて出願者を評価します。例外は以下のとおりです。

  • UCL Medical School(MBBS): UCAT(University Clinical Aptitude Test)。毎年7月から9月にかけて実施され、登録は5月に始まります。UCATは2024年にCambridge Assessmentが廃止したBMATに代わって導入されました。UCATはverbal reasoning、decision-making、quantitative reasoning、abstract reasoning、situational judgementを測定します。
  • MathematicsおよびMathematics with Economics: MAT(Mathematics Admissions Test)――Oxfordが使用するのと同じ試験で、10月下旬に実施されます。
  • History of Artおよび一部の歴史系プログラム: HAT(History Aptitude Test)――11月上旬に実施されます。
  • The Bartlett(Architecture、BSc/MArch): ポートフォリオの提出、場合により面接を伴います。ポートフォリオでは完成度の高い作品だけでなく、デザイン思考そのものが評価されます。
  • Slade School of Fine Art: ポートフォリオ審査と面接(対面またはオンライン、留学生の場合はオンラインも可)。

これら以外のUCLコース――Engineering、Computer Science、Law、Economics、自然科学、現代言語――では、成績証明書、予測成績、英語証明、志望理由書がすべてです。これがUCLとOxbridgeの大きな違いの一つです。UCLは強固な学業成績そのものが語ると考え、Oxbridgeはその場での思考力を試すことを重視します。

英語力要件

UCLはコースを3段階の英語要件レベルに分類しています。

  • Standard: IELTS Academicで総合6.5、各セクション6.0以上。またはTOEFL iBTで92点、各セクションの最低点(R 24、W 24、S 20、L 20)を満たすこと。
  • Good: IELTSで総合7.0、各セクション6.5以上。またはTOEFL iBTで100点、各セクションの最低点(R 24、W 24、S 23、L 22)を満たすこと。
  • Advanced: IELTSで総合7.5、各セクション6.5以上。またはTOEFL iBTで109点、各セクションの最低点(R 24、W 24、S 23、L 22)を満たすこと。

STEM系や社会科学系の多くのコースはStandardまたはGoodを要求します。Law、English、Education、人文学系は通常Advancedが必要です。Medicineも同様にAdvancedが求められます。志望コースの正確な要件レベルは、受験予約の前に必ずUCLの各コースのプロスペクタスページで確認してください。Advancedの基準をわずか0.5点下回ってIELTSを2回受験する羽目になるのは、よくある避けられるミスです。

対策には、PrepClassのIELTS・TOEFLプラットフォームが、UCLの3段階の要件レベルに合わせたフルモック試験を提供しています。しっかりとしたB2レベルの基礎からUCLのAdvanced基準に到達するには、体系的な対策として60〜90日を見込む学生が多いです。

成績・資格の換算

UCLはucl.ac.uk/prospective-students/international-studentsで、150以上の国の資格に対応する国別換算表を公開しています。いくつか例を挙げます。

  • インドのCBSE/ISC: Standardの合格には全体で90%以上かつ専攻関連科目で95%、Advancedの合格には95%以上。
  • シンガポールのA-Level: H2科目3つでA,A,A以上。
  • IBディプロマ: 36〜39点、Higher Levelで6,6,6または7,7,6。Engineeringであれば「Mathematics HL 6」のように特定科目のHL指定があることが多い。
  • ドイツのAbitur: 最終評定1.0〜1.5。
  • イタリアのMaturità: コースにより90/100または95/100。
  • 香港のDSE: カテゴリーA科目3つで5,5,5、必修英語で5*、加えて専攻ごとの最低要件。
  • アメリカのAP/SATルート: 志望コースに関連する科目でAPスコア5を3科目、加えてSAT 1450以上を一部コースが受け入れています。コースごとのページで詳細を確認してください。
  • 日本の高校卒業資格: 大学入学共通テストの成績を含む日本の高校卒業資格はUCLの出願資格として直接認められており、標準的な出願における最低限の目安はA-Level ABB相当です(ucl.ac.uk/prospective-students/international/japan)。ただし実際の要件はコースごとに大きく異なり、Medicine、Computer Science、Economicsなど人気の高いコースではより高い水準が求められます。正確な換算については日本担当の地域担当者に問い合わせることが推奨されています。日本の高校の資格だけではUCLが直接受け入れる水準に届かない場合、UCL国際基礎課程(Undergraduate Preparatory Certificates, UPC)というブルームズベリーキャンパスで学ぶ1年制のファウンデーションコースを経由してUCLの学部課程に進む経路もあります。IBディプロマやA-Levelをインターナショナルスクールや海外の高校で取得した場合は、それぞれの基準がそのまま適用されます。

換算表は交渉の余地がありません。UCLの入学事務局はこれを合否判断の基礎として用いているため、出身校の知名度だけを根拠に交渉しようとしても意味がありません。

UCLで何を学ぶか - 11学部

UCLは主要な学問分野すべてを網羅する11の学部から構成されています。これは英国でも最大級の学部編成であり、出願者に極めて大きな選択の自由を与えます。以下、各学部がカバーする範囲と世界的な評価を紹介します。

1. The Bartlett(建築・都市環境学部)

The BartlettはArchitecture and Built Environment分野で世界をリードする学部で、QS世界大学ランキング(科目別)2026で世界1位をこの10年維持しています。The Bartlett School of Architecture(BSc、MArch、MA)、School of Planning、School of Construction & Project Management、Centre for Advanced Spatial Analysisなどを擁します。Bartlettの建築教育は実験的でテクノロジー主導のデザインで知られ、学生はAIを活用した都市モデル、パラメトリックデザイン、持続可能な建設システム、都市政策などに取り組みます。著名な卒業生にはサー・ピーター・クック(Archigram)、ウィル・アルソップがいるほか、Foster + PartnersやZaha Hadid Architectsのパートナーを数多く輩出しています。2026/2027年度のArchitecture BSc留学生学費は年間£35,000(約735万円)。ポートフォリオの提出が必須です。

2. Engineering Sciences(工学部)

UCL EngineeringはBiochemical、Chemical、Civil、Electronic and Electrical、Mechanical、Computer Science、Medical Physics、Statistical Scienceをカバーし、Integrated Engineering Programme(IEP)を含む複数のMEngルートを提供しています。UCL Engineeringはほとんどの工学分野でQS世界トップ20にランクインしており、特にComputer Science(QS世界18位)はUCLがアラン・チューリング研究所の設立パートナーであることも背景にある強みです。Computer Science MEngはUCLで最も競争が激しいコースの一つで、オファーは通常AAA、Mathematicsが必須です。2026/2027年度のComputer Science留学生学費は年間£40,000(約840万円)。

3. Mathematical and Physical Sciences(数理・物理科学部)

この学部にはMathematics、Physics and Astronomy、Chemistry、Earth Sciences、Space and Climate Physics(Mullard Space Science Laboratory)、Statistical Science、Department of Science and Technology Studiesが含まれます。UCLの物理学科は希ガスの発見やX線結晶構造解析の発展に中心的な役割を果たしてきました。留学生の学費は年間£33,000〜£37,000(約693万〜777万円)です。

4. Life Sciences(生命科学部)

Biological Sciences(Genetics、Biochemistry、Molecular Biology)、Pharmacy(UCL School of PharmacyはQS世界5位)、Engineering Sciencesとの共同プログラムであるBioengineering、そして神経回路研究を行うSainsbury Wellcome Centreがあります。UCL Pharmacyの卒業生は定期的にGSK、AstraZeneca、Pfizer、Wellcome Trustに就職しています。Pharmacy MPharmの留学生学費は年間£36,000(約756万円)。

5. Medical Sciences(医学部)

**UCL Medical School(UCLMS)**は欧州でも屈指の競争率を誇る医学コースで、オファーは通常Chemistry・Biology・Mathematics/Physicsを含むAAAに加え、UCATで2,800点以上(基準点は年により変動)が求められます。UCLMSはUniversity College Hospital、Royal Free、Whittington、Great Ormond Streetといったロンドンの複数の教育病院と提携しています。MBBSコースは留学生の場合、統合BSc(1年間)を含めて6年制です。2026/2027年度の留学生学費は、Medicine前臨床学年で年間£40,000(約840万円)、臨床学年になると年間£52,000(約1,092万円)まで上がります。

6. Brain Sciences(脳科学部)

UCLは欧州最大級の神経科学研究拠点で、Institute of Neurology(Queen Square)とWolfson Institute for Biomedical Researchを擁しています。学部レベルではNeuroscience BSc、Psychology BSc、LinguisticsとNeuroscienceの共同コースなどが選べます。Institute of Cognitive Neuroscienceは世界最先端の脳画像研究施設を有しています。留学生の学費は年間£35,000(約735万円)。

7. Population Health Sciences(集団保健科学部)

Global Health BSc、Public Health、Statistics、UCL Institute of Health Informaticsなどを擁する、比較的小規模な学部です。保健システム、疫学、生物統計学に焦点を当てており、WHO、World Bank Health部門、主要NGOへのキャリアパスに強みがあります。

8. Laws(法学部)

UCL Lawsは英国内で常にトップ5、QSの科目別ランキングでは世界トップ15の常連です。LLB(法学士)は英国の法曹界に進む標準的な3年制コースで、UCLはこれに加えて、フランス法(パリ第2大学パンテオン・アサスとの提携)、ドイツ法、イタリア法、スペイン法、香港法を組み合わせた4年制LLBも提供しています。UCL LawsはLNATを要求しない英国トップクラスの法学部の一つです。2026/2027年度のLLB留学生学費は年間£29,000(約609万円)。

9. Social and Historical Sciences(社会・歴史科学部)

Anthropology(世界3位)、Geography(世界5位)、History、Archaeology、Economics、Political Science(SPP)、Institute of the Americasを擁します。UCL EconomicsはOxbridgeとLSEを除けば最も強力な経済学部の一つで、オファーは通常Mathematicsを含むAAAです。UCLはPhilosophy, Politics and Economics(PPE)も提供しており、Oxford流のPPEの学際的な広がりをOxford以外の場所で求める出願者にとっての選択肢になっています。

10. Arts and Humanities(人文学部)

English、History of Art、Modern Languages(フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、日本語、ヘブライ語、イディッシュ語、スカンジナビア研究)、Hebrew and Jewish Studies、Slade School of Fine Art(Fine Art BA、BFA、MA――ポートフォリオのみでの入学)、Information Studiesが含まれます。Slade School of Fine Artは世界で最も古く名高い美術学校の一つで、卒業生にはルシアン・フロイド、アントニー・ゴームリー、パトリック・コールフィールド、コーネリア・パーカーがいます。なお、UCLのModern Languagesには日本語専攻も設置されており、日本の言語・文化を専門的に学び直したい留学生にも門戸が開かれています。

11. UCL Institute of Education(IoE、教育研究所)

Education BA、Education and International Development、Mathematics for Teaching、Childhood, Sociology and Education、そして英国で教職に就くための著名なPGCE(Postgraduate Certificate in Education)を提供しています。IoEはQSのEducation分野で11年連続世界1位にランクされています。

この幅広さこそがUCLの際立った特徴です。Architecture、Medicine、Computer Scienceのように志望分野がすでに明確な出願者にとって、UCLはそれぞれに世界トップクラスの専門学部を用意しています。一方で、たとえばArchaeologyとAncient Historyの組み合わせや、MathematicsとEconomicsの組み合わせのように学際的な柔軟性を重視する出願者にとっても、UCLの学部構成はそれを可能にします。これはSTEMに特化したImperialや社会科学に特化したLSEにはできないことです。

ロンドンでの学費と生活費

**ロンドンは英国で最も物価の高い都市であり、世界でも有数の学費・生活費が高い学生都市の一つです。**出願前に自分の予算について正直に向き合うべきです。3〜4年間の課程の途中で経済的な負担が原因で留学を断念するケースは、留学生のドロップアウトの最も一般的な理由だからです。

2026/2027年度の学費(留学生)

UCLの留学生向け学費は学部・コースによって異なります。最新の公式学費一覧は毎年春にucl.ac.uk/prospective-students/feesで公開されます。2026/2027年度の代表的な金額は以下のとおりです(1ポンド≈210円で概算、実際のレートは変動します)。

  • Arts and Humanities、Social Sciences、Education: 年間£25,000〜£28,000(約525万〜588万円)
  • Laws(LLB): 年間£29,000(約609万円)
  • Sciences、Mathematics、Statistics: 年間£33,000〜£37,000(約693万〜777万円)
  • Engineering、Computer Science: 年間£37,000〜£40,000(約777万〜840万円)
  • Architecture(Bartlett BSc): 年間£35,000(約735万円)
  • Medicine(MBBS)前臨床学年: 年間£40,000(約840万円)、臨床学年は年間£52,000(約1,092万円)
  • Pharmacy(MPharm): 年間£36,000(約756万円)

比較として、Home区分(英国居住者)の学費は年間£9,250(約194万円)で、これは英国政府が上限を定めている金額であり、英国籍または永住権保持者に適用されます。EU出身者はBrexit後(2021/2022年度入学以降)にHome区分を失い、現在はアメリカ、インド、中国出身の出願者と同じInternational学費を支払っています。唯一の例外はCommon Travel Areaの枠組みによりHome区分を維持しているアイルランドです。日本国籍の出願者にはBrexitの前後で扱いの変化はなく、当初からInternational区分・学生ビザのルートが適用される点に留意してください。

米ドル換算では、UCLの留学生学費はおよそUSD 32,000〜51,000/年(2026年の為替レート)で、これはNYUやBoston Universityといったアメリカの私立大学と同水準であり、Harvard、Yale、Princetonといったアイビーリーグ校の学費(学費だけでUSD 65,000以上)と比べると大幅に安価です。

2026/2027年度のロンドンでの生活費

UCLは留学生の生活費を年間£15,000〜£18,000(約315万〜378万円)と見積もっていますが、これは控えめな数字です。現実的な内訳は以下のとおりです。

  • 住居費: UCLの学生寮では週£180〜£280(約3.8万〜5.9万円)(寮の種類・食事付き/自炊の別による)。ブルームズベリー、カムデン、ホルボーン、キングス・クロス周辺の民間フラットでは月£950〜£1,500(約20万〜31.5万円)。年間では**£8,000〜£14,000**(約168万〜294万円)。
  • 食費: 自炊中心なら月£180〜£300(約3.8万〜6.3万円)、外食が多ければ月£400〜£600(約8.4万〜12.6万円)。年間では**£2,500〜£5,000**(約53万〜105万円)。
  • 交通費: Zone 1-2の月間定期券(18歳以上学生向けOysterカードで30%割引適用)で月£91(約1.9万円)。年間では**£1,000〜£1,300**(約21万〜27.3万円)。
  • 教材・書籍費: コースによって年間£300〜£800(約6.3万〜16.8万円)。Architecture、Fine Art、Engineeringは高くなりがちです。
  • 個人・交際・国内旅行費: ライフスタイルによって年間£1,500〜£3,000(約31.5万〜63万円)。
  • 医療費サーチャージ(IHS): 学生ビザ申請時に前払いする年間£776(約16.3万円)。これにより在学中はNHS(英国国民保健サービス)を無料で利用できます。

留学生1人あたりの現実的な年間生活費総額は**£14,000〜£22,000**(約294万〜462万円)で、多くの学生は**£16,000〜£18,000**(約336万〜378万円)前後に収まります。学費を合わせると年間の総予算は**£40,000〜£62,000**(約840万〜1,302万円、USD 50,000〜78,000またはEUR 47,000〜73,000相当)となります。

3年制・4年制課程の総額

3年制の学部課程(ほとんどのBA/BScコース)の場合:

  • 学費+生活費の総額: £120,000〜£186,000(約2,520万〜3,906万円、USD 150,000〜235,000)

4年制の統合MEngまたはMSciの場合:

  • 学費+生活費の総額: £160,000〜£248,000(約3,360万〜5,208万円、USD 200,000〜315,000)

6年制のMBBS Medicine(留学生)の場合:

  • 学費+生活費の総額: £270,000〜£330,000(約5,670万〜6,930万円、USD 340,000〜415,000)

参考までに、アメリカのアイビーリーグの4年制学部課程を定価で計算するとおよそUSD 360,000(約5,760万円)に達するため、医学以外のコースであればUCLの方が実質的に安価です。一方、シンガポール国立大学(NUS)や香港科技大学(HKUST)といったアジアのトップ大学と比較すると、UCLの費用は大幅に高くなりますが、アジア域外での知名度の高さという強みがあります。

在学中のアルバイト

学生ビザで在学中の留学生は、学期中は週20時間まで休暇中はフルタイムで就労できます。ロンドンでの一般的な学生アルバイトの時給は**£11〜£15**(約2,310円〜3,150円)程度(小売、飲食、大学内業務、図書館業務など)が目安です。30週間の学年度中に週15時間働けば£4,950〜£6,750(約104万〜142万円)を稼げる計算になりますが、これは家計の足しにはなっても学費をまかなえる金額ではありません。アルバイトは生活費への補助と位置づけ、学費戦略の柱にはしないことをおすすめします。

留学生向け奨学金と経済的支援

UCLは留学生向けの学部奨学金を複数用意していますが、最も手厚い奨学金ほど競争が激しく、数万件の応募に対して枠は30件未満というのが実情です。主な選択肢は以下のとおりです。

UCL Global Undergraduate Scholarship

留学生向けの看板的な学部奨学金です。授業料全額に加えて年間およそ£15,000(約315万円)の生活費給付をカバーし、3年間の総額は£150,000(約3,150万円)を超えることもあります。対象条件は、留学生(英国居住者ではない)であること、経済的必要性が証明できること(家計収入の証明が必要)、優れた学業成績、コミュニティ活動やリーダーシップの実績があることです。出願は2月に始まり、締切は通常3月末です。世界全体で年間およそ30件が採用されます。

Denys Holland Scholarship

UCLでの教育費を自力では賄えない出願者を対象とした奨学金です。金額は3年間で年間£10,500(約220万円、総額約£31,500=約660万円)。対象条件は経済的必要性に加え、スポーツ、音楽、ディベート、ボランティアなど、学業以外での大学生活への幅広い関わりが証明できることです。留学生を含むすべての国籍の出願者が対象で、年間およそ12件が採用されます。

Quintin Hogg Scholarship

低所得層出身のEngineering Sciences志望者を対象とした奨学金です。金額は変動しますが、目安は年間£10,000〜£15,000(約210万〜315万円)。Engineering MEngコースを志望する留学生も対象です。

Bartlett Promise Scholarship

Bartlettの建築・都市環境系コースに進学する学生のうち、経済的に大きな障壁に直面してきた学生を対象としています。学費の一部減免と生活費給付を組み合わせた内容です。

UCL Faculty of Laws Scholarships

学部単位の複数の奨学金があり、その中にはUCLの知的な創設者にちなんだJeremy Bentham Scholarship(ベンサムの保存されたオート・アイコンは今もStudent Centreに展示されています)も含まれます。金額は目安として年間£5,000〜£15,000(約105万〜315万円)で、恵まれない背景を持つ優秀なLaw志望者向けです。

国・地域別の奨学金制度

  • Chevening Scholarship(英国政府): 大学院課程が対象(学部課程は対象外)です。日本を含む160以上の国と地域の出願者が対象で、専用のページも公開されています(chevening.org/scholarship/japan)。授業料全額と生活費を給付する非常に競争率の高い制度です。
  • Commonwealth Scholarship Commission: コモンウェルス加盟の途上国出身者を対象とした大学院向け奨学金で、授業料全額と生活費をカバーし、UCLは主要な受け入れ大学の一つです。日本はコモンウェルス加盟国ではないため対象外ですが、UCLで学ぶ他国出身の学生の資金源として参考までに紹介します。
  • 日本の官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN」: 文部科学省とJASSO(独立行政法人日本学生支援機構)が民間企業の協力を得て運営する、返済不要の給付型奨学金制度です。高校生・大学生等を対象に、多様なタイプの海外留学を支援しており、UCLのような海外の大学への進学を目指す日本の学生にとって現実的な選択肢の一つです(tobitate-mext.jasso.go.jp)。
  • JASSOの海外留学のための貸与型奨学金: 独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、海外留学向けに無利子または低利子の貸与型奨学金制度を提供しています。UCLの学費全額をカバーするものではありませんが、生活費の一部を大きく補うことができます。
  • フルブライト奨学金(米英間): UCLで大学院課程を志望するアメリカ国籍の出願者を対象とした制度で、学費と生活費をカバーします。米英間の二国間フルブライト委員会が運営しており、日本国籍の出願者は対象外です。

外部融資・ローン

留学生は英国のStudent Finance(学生ローン制度)を利用できません(これは英国居住者専用です)。現実的な外部資金の選択肢は以下のとおりです。

  • 日本政策金融公庫(JFC)の国の教育ローン(海外留学): 修業年限3カ月以上の海外の大学・大学院などへの留学を対象とした公的な教育ローンで、学生1人あたり通常350万円、海外留学の場合は上限450万円までの融資を受けられます(jfc.go.jp/n/study_abroad)。住居費、渡航費、パスポート・ビザ申請費用などが対象となる一方、教科書代やパソコン購入費は対象外です。
  • Prodigy Finance、MPower Financingなどの国際的な学生ローン専門業者: UCLを含む世界トップクラスの大学に進学する留学生向けにローンを提供する英国・米国拠点のフィンテック企業で、いずれも連帯保証人が不要です。ただし、これらは主に信用スコア制度が十分に整っていない新興国出身の大学院生を主な対象としており、国内の銀行融資を利用しやすい日本人学生にとっての実用性は限定的です。むしろJASSOの貸与型奨学金や日本政策金融公庫の教育ローンの方が、多くのケースで現実的な選択肢になります。
  • 家族の支援と自己資金: UCLの留学生にとって、依然として最も一般的な資金源です。

よくある誤解として、多くの出願者は「UCLはアメリカの大学よりかなり安いはずだから、きっと手が届く」と思い込みがちです。しかし3年間の総額がUSD 150,000〜235,000(約2,400万〜3,760万円)に達することを考えると、UCLは大きな経済的コミットメントです。UCAS出願を提出する前に、学費・住居費・食費・交通費・医療費サーチャージ・帰国便の航空券まで含めた総額を必ず計算してください。

学生生活 - ブルームズベリーとロンドン

UCLのメインキャンパスは、ロンドン中心部Zone 1に位置するブルームズベリーというジョージ王朝様式の街並みが広がるエリアにあります。北はユーストン・ロード、西はトッテナム・コート・ロード、南はニュー・オックスフォード・ストリート、東はグレイズ・イン・ロードに囲まれています。ウィルキンズ・ビルディングから徒歩10分圏内に以下の施設があります。

  • 大英博物館(無料入場、ルーヴル美術館に次ぐ世界で最も来場者数の多い博物館)
  • 大英図書館(英国で出版されたあらゆる書籍を所蔵、無料の閲覧室あり)
  • セネート・ハウス図書館(ジョージ・オーウェルが『1984』の真理省のモデルにしたアール・デコ様式の塔)
  • SOAS、Birkbeck、RADA(王立演劇学校)
  • ラッセル・スクエア、タヴィストック・スクエア、ゴードン・スクエア――ブルームズベリーの3つの主要な緑地
  • ユーストン、キングス・クロス・セント・パンクラス、ラッセル・スクエアの地下鉄駅――ロンドン全域へのアクセスを提供

ブルームズベリーは文字通りロンドンの学術の中心地です。英国内のどこよりも多くの大学・図書館・学術団体がここに集中しています。20世紀初頭、ブルームズベリー・グループと呼ばれる作家集団(ヴァージニア・ウルフ、E・M・フォースター、ジョン・メイナード・ケインズ、リットン・ストレイチー)がこれらの広場周辺で暮らし活動しており、その知的な空気は今も残っています。

学生寮

UCLは7月31日までに出願した1年目の留学生学部生に対して寮の入居を保証しています。この保証は重要な意味を持ちます。というのもロンドン中心部の民間賃貸市場は極めて厳しく、ブルームズベリーや近隣のカムデンでのシェアフラットは月£1,000(約21万円)から始まり、1件の物件に20人以上が申し込むこともあるからです。

UCLの寮は大きく2種類に分かれます。

食事付き寮(朝食・夕食付き):Astor College、Goldsmid House、Frances Gardner House、Ifor Evans Hall、Ramsay Hall。週£200〜£280(約4.2万〜5.9万円)。人付き合いがしやすく、1年目の環境変化にも馴染みやすい上、自炊の時間を節約できます。

自炊寮(キッチン利用可):Arthur Tattersall House、James Lighthill House、Max Rayne House、Schafer House、Ramsay Hall、そしてSOASやBirkbeckと共有する大規模な現代的複合施設Garden Halls。週£150〜£240(約3.2万〜5万円)。

1年目を終えると、多くの学生はカムデン(活気がありライブハウスも多い、キャンパスの北側)、イズリントン(より住宅地らしく、やや離れている)、ホルボーン(法律関係の街、中心部に近い)、ハックニー/ダルストン(トレンディだが通学時間は長め)、ストラトフォード(家賃は安いがセントラル線での通学時間は長い)といったエリアの民間フラットに移ります。2年目以降のシェアフラットの相場は、3〜4ベッドルームのフラットの1部屋あたり月£900〜£1,400(約19万〜29.4万円)が目安です。

学生団体とキャンパスの文化

UCLには350を超える学生団体75のスポーツクラブがあり、ゴードン・ストリート25番地にあるUCL Students’ Unionが運営しています。主なカテゴリーは、学問系(専攻ごとのソサエティ――Architecture Society、Economics Society、Medical Societyなど)、文化系(主要な国籍のほぼすべてにソサエティが存在――インド、中国、シンガポール、香港、ナイジェリア、ラテンアメリカ、ポーランド、フランスなど)、政治系(Labour、Conservative、Liberal Democrat、Greens、ディベート系ソサエティ)、創作系(Drama Society、Film Society、Music Society)、そして特殊趣味系(クィディッチ、編み物、登山)です。日本人留学生向けの日本文化系ソサエティも活動しており、日本語や日本文化に関心のある学生同士のコミュニティづくりの場になっています。

UCL Volleyball Society、UCL Hockey、UCL Boat ClubはBritish Universities & Colleges Sport(BUCS)レベルで競技しています。毎年恒例の**UCL対King’s College London「バーシティ」**戦、特にラグビーの試合はUCLの1年を通じて最も多くの観客を集めるスポーツイベントです。

ナイトライフについては、UCLの学生は早い時間の一杯にはブルームズベリーのパブ(トリントン・プレイスのMarlborough Armsは事実上UCLの公式パブ)、ロックやインディー系の音楽にはカムデン、演劇やレストランにはソーホー、クラブにはショーディッチ、ハイエンドな夜にはメイフェアへ向かう傾向があります。ロンドンのクラブの閉店時間は英国の他都市より遅く、多くのクラブは深夜3時から6時まで営業しています。

学生予算で楽しむロンドンの文化

この街の無料文化インフラは非常に充実しています。大英博物館、大英図書館、テート・モダン、テート・ブリテン、ナショナル・ギャラリー、自然史博物館、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、サイエンス・ミュージアムはすべて入場無料です。UCL自身が運営するペトリー・エジプト考古学博物館、グラント動物学博物館、UCL Art Museumも全来場者無料です。演劇については、UCLの学生はナショナル・シアターやロイヤル・コートで割引チケット(£10〜£25、約2,100円〜5,250円)を利用でき、公式演劇アプリを通じて同日限りの£25(約5,250円)のウエストエンド立ち見〜通常席チケットも入手できます。ロイヤル・アルバート・ホールで開催されるBBCプロムスでは、8週間の夏シーズンを通じて£6(約1,260円)の立ち見チケットが提供されます。

UCLの著名な卒業生

UCLの卒業生リストは、この大学が持つ影響力の広がりを示しています。

政治・法曹: マハトマ・ガンディー(UCL Faculty of Laws、1888〜1891年――ガンディーは南アフリカとインドに渡る前、UCLでバリスターの資格を取得しました)。小泉純一郎(元内閣総理大臣)――日本の読者にとって特に印象的な事実ですが、日本の元首相がUCLの卒業生であることは、この大学と日本との歴史的なつながりを象徴しています。ロード・バタチャリヤ(Warwick Manufacturing Groupの創設者)。

科学・技術: アレクサンダー・グラハム・ベル(電話の発明者、渡米する前に短期間UCLで学びました)。ウィリアム・ラムゼー(希ガスの発見により1904年ノーベル化学賞受賞)。フランシス・クリック(UCLで物理学を学んだ学部生で、後にDNAの構造を共同発見)。オットー・ハーン(1944年ノーベル化学賞受賞)。

文学・映画・芸術: クリストファー・ノーラン(『インセプション』『インターステラー』『オッペンハイマー』の監督――UCLでEnglish Literatureを専攻)。リッキー・ジャーヴェイス(『The Office』の生みの親――UCLでPhilosophyを専攻)。Coldplayのクリス・マーティンはUCLでバンドメンバーと出会いました。ルシアン・フロイドアントニー・ゴームリー(いずれもSlade School of Fine Art出身)。

ビジネス・金融: ロード・ジョン・ブラウン(BP元CEO、UCLでPhysicsを専攻)。McKinsey、BCG、Bain、Goldman Sachs、Morgan Stanleyの多くのシニアパートナーがUCLの学部出身です。

この卒業生の幅広さはUCLを象徴する特徴の一つです。Imperialの卒業生がエンジニアリングとテクノロジー分野に集中し、LSEの卒業生が金融と政府に集中する傾向があるのに対し、UCLの卒業生はあらゆる業界に広がっており、世界的に知名度の高いクリエイティブ分野の人物(ノーラン、ジャーヴェイス、Coldplay)も含まれています。

学生ビザ - Brexit後のUCL留学

2021年以降、EU出身者を含むすべての非英国籍学生は、英国のStudent visa制度(旧Tier 4)を通じてUCLに在籍します。日本国籍の出願者にとってはBrexit前後で扱いに変化はなく、当初からこのInternational区分・学生ビザのルートが適用されてきました。手続き自体は比較的分かりやすいものですが、タイミング管理には注意が必要です。

必要書類と手続き

  1. UCLから無条件合格を得る(通常は最終結果発表後の7月または8月)。
  2. UCLが定める学費デポジットを支払う(コースにより異なりますが、目安は£2,000〜£4,000、約42万〜84万円)。
  3. **CAS(Confirmation of Acceptance for Studies)をUCLから受け取る。**これは自分の出願とUCLのスポンサーライセンスを結びつける固有の参照番号です。
  4. オンラインでStudent visaを申請する(gov.uk/student-visa)。申請料は**£524**(約11万円、英国外からの申請の場合)。
  5. Immigration Health Surcharge(IHS、医療費サーチャージ)を前払いする:在学期間1年あたり£776(約16.3万円)(3年制コースなら合計£2,328、約48.9万円)。これにより在学中はNHSを無料で利用できます。
  6. **資金証明を提出する:**1年分の学費に加えて、ロンドンでの9カ月分の生活費(現在ロンドン内で月£1,334=合計£12,006、約252万円)をカバーできることを示す必要があります。資金は申請前に28日間連続して口座に保有されている必要があります。
  7. 結核(TB)検査証明書を提出する(対象国からの出願者に必須――英国政府の対象国リストを確認してください)。
  8. 成績証明書とUKVI承認の英語証明書(IELTSまたはTOEFL)を提出する。
  9. **本国のUKVIビザ申請センターで生体認証情報を提出する。**多くの出願者は3週間以内に結果を受け取ります。

英国のStudent visaでは、フルタイムでの就学に加えて、学期中は週20時間まで、休暇中はフルタイムで就労が可能で、英国への出入国も自由に行えます。

卒業後:Graduate Route

英国のGraduate Route(卒業後就労ビザ)は、留学生が卒業後2年間(博士課程修了者は3年間)、スポンサーなしで英国に滞在することを認めています。これは大きな意味を持ちます。UCLの卒業生は、アメリカのH-1Bビザのような抽選の不確実性に振り回されることなく、2年間かけて専門職としての就職先を探し、Skilled Worker visaへの切り替えを目指すことができます。Goldman Sachs、JPMorgan、McKinsey、BCG、Google、Meta、Deloitte、PwCといったロンドンの大手企業の多くは、Graduate Route visaが長期的なスポンサー付き雇用への橋渡しになるという前提で、積極的にUCLの学部卒業生を採用しています。

日本の新卒採用は「新卒一括採用」という独特の仕組みを中心に動いており、卒業と同時期に一斉に就職活動を行うのが一般的です。UCLで学び、卒業後にGraduate Route visaでロンドンに残るという選択肢は、この一括採用のタイミングに縛られずに、ロンドンでの実務経験を積んでから改めて日本でのキャリアを検討する、あるいはそのまま英国や他国でのキャリアを続けるという柔軟性を留学生に与えてくれます。

アメリカの留学生向け就労経路――OPT(12カ月、STEM分野は36カ月)を経てH-1Bビザの抽選に応募する仕組みで、非STEM分野での当選確率はおよそ30%――と比較すると、英国のGraduate Routeははるかに確実性の高い制度です。「卒業後もその国に残れるかどうか」を主な懸念材料とする留学生にとって、UCLとGraduate Routeの組み合わせは世界でも有数の選択肢の一つです。

UCL vs LSE vs Imperial vs King’s - 大学の選び方

この4校はいずれもロンドンを拠点とする名門Russell Group大学です。表面的には似て見えますが、学問的な特徴とキャリアの方向性はそれぞれ大きく異なります。

Imperial College London

STEMとMedicineに特化した専門校です。人文学はなく、社会科学もごく小規模なビジネススクールを除いてほとんどありません。Engineering、Computer Science、Medicine、Mathematics、自然科学のいずれかにすでに確信があるなら、Imperialはこれらの分野でOxbridgeを除けば英国最強の学部教育を提供し、産業界からの評価もおそらく最も高いといえます。UCLより規模は小さく(学生数約2万2千人)、サウス・ケンジントン(博物館地区)に位置しています。QS世界大学ランキング2026:世界2位

LSE(London School of Economics and Political Science)

社会科学に特化した専門校です。Economics、Finance、Politics、International Relations、Law、Anthropology、Sociology、Statisticsに集中しています。規模は非常に小さく(大学院生を含めても学生総数約1万3千人)、ホルボーン近郊のホートン・ストリートに位置しています。シティ・オブ・ロンドンでのキャリア(投資銀行、戦略コンサルティング、ヘッジファンド)を目指す学生にとっての第一の選択肢です。LSE Economicsは、Oxbridgeを除けば英国で最も競争率の高い経済学部の学部課程です。QSランキング2026:世界56位――ただしこれはSTEM分野を持たず被引用数を稼げないためにランキングが実力を過小評価している面があり、社会科学分野に限定した評価では、いかなる指標で見てもLSEは世界トップ5クラスです。

King’s College London(KCL)

UCLに最も近い立ち位置の大学で、同じく学際的でRussell Groupに属し、学生数も約3万2千人とUCLに近く、ロンドンを拠点としています。特にMedicine、Law、War Studies、International Relations、Theologyに強みがあります。KCLの医学部は欧州でも最大級の規模です。ロイヤル・コーツ・オブ・ジャスティス近くのザ・ストランドに位置しています。QSランキング2026:世界34位。学問的にはUCLに匹敵しますが、世界的なブランド力ではやや一歩譲る立ち位置です。

UCLを選ぶべき場合

以下のいずれかに当てはまる場合は、UCLが適しています。

  • 単一の専門分野への特化ではなく、幅広さと学際的な柔軟性を求めている。
  • Architecture、Urban Planning、Built Environmentに関心がある(Bartlettに匹敵する存在はありません)。
  • Education(教育学)や教育研究に関心がある(IoEは世界1位)。
  • 国際色豊かな学生コミュニティを求めている(UCL学生の53%が留学生で、この4校の中で最も高い割合です)。
  • ロンドン中心部という立地を活かし、博物館・劇場・文化施設への容易なアクセスを求めている。
  • 複数分野にわたる研究の厚みを重視する(UCLはLSEやKCLを研究予算面で上回り、絶対額ではImperialに匹敵します)。

他の大学を選ぶべき場合

Engineering、CS、Medicineの専門性を追求し、産業界への就職を重視するならImperialを選びましょう。金融、コンサルティング、政府機関でのキャリアを目指し、社会科学分野で最も強いブランドを求めるならLSEを選びましょう。War Studies、International Relations、Theologyに特に関心がある場合、あるいはUCLに希望するコースの組み合わせがない場合はKCLを選びましょう。学力的にその水準に達しており、カレッジ制のチュートリアル教育を求め、ロンドン中心部よりも小規模な都市での生活を好むなら、OxfordまたはCambridgeを選びましょう。

結論 - UCLはあなたに向いているか?

UCLは、以下に当てはまる留学生にとって正しい選択です。

  1. 世界的に認知される英国の学位を求め、卒業後の在留経路がしっかりしていること(Graduate RouteはアメリカのH-1B抽選よりもはるかに確実性が高い)を重視する。
  2. 学際的な広がりを大切にし、単一の専門学部に縛られたくない。
  3. ロンドン中心部で学び、そこにある文化的・専門的・社会的な機会をすべて享受したい。
  4. 大規模な組織(学生数4万8千人)の中で、自ら積極的にコミュニティを築いていける。
  5. 世界トップ10クラスの大学に見合う学力を持っている(A-LevelでAAAまたはAAA、IBで36〜39点、または各国の同等資格)。
  6. 3年間でUSD 150,000〜235,000(約2,400万〜3,760万円)という現実的な資金計画を立てられている(学費とロンドンでの生活費を合わせた金額)。

一方、Oxbridgeのような小規模カレッジでの体験を求めている場合、面接を通じた合否判断を必要とする場合(UCLはほとんどの場合そうしません)、あるいは単一の超専門的な学部(STEMならImperial、社会科学ならLSE)を求めている場合には、UCLは最適な選択ではないかもしれません。

UCLが志望校リストに入っているなら、次のステップは以下のとおりです。

  1. 志望コースを確定する――ucl.ac.uk上の該当学部のプロスペクタスページを丁寧に読み込みましょう。自分の国の資格に対応する入学要件には特に注意してください。
  2. 英語資格試験(IELTS AcademicまたはTOEFL iBT)を予約する――UCASの締切から少なくとも6カ月前に受験できるようにしましょう。PrepClassを活用して、UCLが求めるStandard・Good・Advancedのいずれかの基準を目標に対策を進めてください。
  3. UCASアカウントを作成し、5つの志望コースを決める――UCLに加えて2〜3校の同水準の大学、そして1校の滑り止めという構成が一般的です。
  4. 出願年の8月までに志望理由書の下書きを仕上げる――単なる熱意ではなく、専攻分野への学問的な関心の深さを示しましょう。
  5. 推薦者への事前説明を行う――海外の高校の教師は、英国の大学が推薦状に何を求めているかを具体的に伝えられると助かります。
  6. 3年間の総予算(学費+住居費+生活費+帰国便)を計算し、出願前に資金の見通しを確認する。

UCLは200年にわたりロンドンのグローバル大学であり続けてきました。何を学ぶにしても、どこの出身であっても、この大学には本格的に学び、卓越した仲間と出会い、あらゆる主要都市で扉を開いてくれる世界規模の卒業生ネットワークへと羽ばたいていく場所が用意されています。出願は競争が激しいものの、不可能ではありません。そしてその先にある成果は、一生ものです。

Oceń artykuł:

5.0 /5

Średnia 5.0/5 na podstawie 65 opinii.